私のご主人様Ⅲ

…ダメだ。私がいる限り収まらないや。

朝礼まで時間はない。でも、席を立ち教室を出る。背後からなにか言われたけど、耳に入れたイヤホンが言葉を遮る。

…どこに行こうかな。とりあえず、先生に見つかりにくそうな場所…。

考えるけど、校内ですら自由気ままに歩いたこともないからそんな場所は知らない。でも、とりあえずクラス教室の近くから離れるために階段を上る。

人がいない場所…。図書室?

それ以外に考えは出なくて、とりあえずすぐそばにある図書室に入る。

相変わらず電気もついていない。もちろん人気もない。

ドアを閉めたタイミングで鳴り響くチャイム。音楽プレイヤーを止め、イヤホンを外すと奥に進んだ。

電気はつけれないから、少し薄暗いような気がする。

1番奥の棚まで進んだとき、ガタッとドアが揺れる。振り返ると、ドアの外に人影が見えた。

「誰かいるのか!朝礼の時間だぞ!!」

っヤバイ。こんなに速攻でバレるなんてないでしょ!?

慌てて隠れる場所を探そうとしたとき、突如伸びてきた手に口を塞がれ、抵抗する間もなく引きずられる。

次の瞬間、自分がいたのは図書室よりも暗い場所。隣からドアが開け放たれる音が響くと、体に回った手に力がこもった。
< 39 / 286 >

この作品をシェア

pagetop