私のご主人様Ⅲ

「その様子じゃ、俺のことは覚えてるってことでいいよな」

「…」

「まぁ一応。改めまして、舛田 颯。趣味は女の子と遊ぶこと。特技は女の子を楽しませること。よろしくっ!」

「………」

沈黙が落ちる。

うわ、絵に描いたような遊び人じゃないか。

高校生でこんな風で将来、大丈夫なのかな…。あ、この人ヤクザだった。将来も何も危険な世界の人だ。

勝手に納得していると、無視するんじゃねぇと怒られた。

それより、この人は恐らく季龍さんの敵だ。そんな人と関わったことがバレたら確実にまずい。

とにかく、離れよう。関わっていいことがあるなんて思えない。

視線は相手に向けたまま、ドアノブをひねる。ドアが動いたのを確認して、ドアを押そうと力を込める。
< 41 / 286 >

この作品をシェア

pagetop