私のご主人様Ⅲ
「その様子じゃ、俺のことは覚えてるってことでいいよな」
「…」
「まぁ一応。改めまして、舛田 颯。趣味は女の子と遊ぶこと。特技は女の子を楽しませること。よろしくっ!」
「………」
沈黙が落ちる。
うわ、絵に描いたような遊び人じゃないか。
高校生でこんな風で将来、大丈夫なのかな…。あ、この人ヤクザだった。将来も何も危険な世界の人だ。
勝手に納得していると、無視するんじゃねぇと怒られた。
それより、この人は恐らく季龍さんの敵だ。そんな人と関わったことがバレたら確実にまずい。
とにかく、離れよう。関わっていいことがあるなんて思えない。
視線は相手に向けたまま、ドアノブをひねる。ドアが動いたのを確認して、ドアを押そうと力を込める。