私のご主人様Ⅲ
「まぁだ信じてねぇ顔だなぁ。うーん。そうだなぁ。…よし。今日、組員を殺す」
「っ!?」
「1人の予定だけど、状況によっちゃ何人でも殺す。それで、信じてくれねぇかなぁ?」
…ふざけてる。人を、そんなに簡単に殺すなんて言葉を使っていいわけがない。
それに、永塚組の人たちが簡単に殺されるなんて思えない。傍で見てるから分かる。あの人たちは強い。
その人たちを簡単に殺すと言うこの人に、そんな力があると感じない。
少なくとも、季龍さんよりずっと格下。
…逃げよう。この人とこれ以上話すのは危険だ。
ドアノブを回し、図書室の方へ駆け出す。追ってくるような気配はない。
でも、
「明日、昼休み。ここで待ってるから」
そんな言葉を背に受け、図書室から飛び出す。
教室に行くと、授業中で怒られた。だけど、授業に戻っても言われた言葉が頭をめぐって集中なんかできなかった。