私のご主人様Ⅲ
目の前に急に現れたチャンス。
帰れるかもしれない。お父さんと成夜のところに。あの街に。
…でも、失敗すればすべて終わる。
私は文字通り拘束され、二度と帰れないだろう。それどころか、殺されてしまうかもしれない。
あまりにハイリスクで、ハイリターンな取引。
『明日、昼休み。ここで待ってるから』
舛田の言葉がよみがえる。
あれは答えをそこで聞くという意味だ。あの取引に乗るか、乗らないか、判断を下すという意味。
舛田は殺すまではいかなくても、負傷者をあれだけ出した。それは、彼が本気であることを示すには十分だ。
そして暗に、彼らは短時間で永塚組をあそこまで攻撃できる力を持っていることを示している。
可能なのか。本当に、彼らは永塚組を潰して、私はここから逃げ出せるのか?
そして、帰れるのだろうか。お父さんと
のところに。