私のご主人様Ⅲ
違和感
奏多side
「奏多さん、足どうですか」
「まぁまぁかな。来週には戻れると思う」
昼食を持ってきた暁が、お盆を傍に置かれた机に置きながら声をかけてくる。
布団から身を起こし、暁に体を向けて座ると、ホッとしたような顔を向けられた。
謎の襲撃から2週間が経った。
あの時、繁華街の路地裏を先輩たちと歩いているときに唐突に銃撃に襲われた。
幸い死者は出なかったものの、多かれ少なかれ銃弾を浴びた俺たちは、永塚の本家に戻るのすら困難で、もし追撃されていたら全員命はなかっただろう。
敵の顔は誰も見ていない。唐突に現れ、拳銃の弾を打ち切るまで発砲するなり嵐のように去っていった。
若たちが奴らの行方を追っているが、未だに見つからないという。
いつ何時襲撃が来るか分からないせいで、屋敷全体が緊張しているかのように空気がピリピリしている。
でも、あれ以来襲撃は一才ないというから、さらに不気味だった。
怪我を負った俺たちもようやく回復してきた。
もちろん、まだ寝込んでいる人もいるが、比較的軽症だった俺を含めた3人くらいは早ければ来週中には仕事復帰出来そうだ。