私のご主人様Ⅲ
「元気そうならそれでいいよ。気になったこともない?」
「…」
急に口を閉ざした暁に視線を向けると、悩むように視線を迷わせる。
「…最近、やたらケータイで誰かと連絡をとってるみたいです」
「ケータイ?」
暁が困惑するのも分かる。確かに琴音ちゃんにはケータイを持たせてるけど、連絡先は若やお嬢、信洋さん、俺に暁くらいしか入っていないはず。
そのうちの誰かと頻繁にやりとりするくらいなら、直接話した方が手っ取り早い。
信洋さんに頼んでクラスメイトの連絡先を入れてもらったのか?でもどうしてこのタイミングで…。
「…それ、いつから?」
「1週間前から…文化祭の準備で連絡とってるとは言うんすけど、頻度が多すぎるような気がします」
今までケータイを触りもしなかった琴音ちゃんだから、余計に目立って見えるにしても確かにおかしい気はする。
何事もなければいいけど…。