私のご主人様Ⅲ
油断
「…はぁ」
ダメだな…。思わず甘えてしまったけど、こんなんじゃダメなのに…。
今の私が、誰かに頼る資格なんかないのに…。
…とにかく、着替えなきゃ。
制服のボタンに手をかける。カッターを脱ぐと、アザだらけの腕が見えて、流石に気持ち悪い。
まともな肌の色をしてるのは肘から指先くらい。…多分、だけど。
それから目を背けるためにさっさと着物に袖を通す。
こうなったのも、自分の不注意のせい。
情報を話すために舛田とは図書館の準備室で会ってる。他に聞かれると面倒だからというのもあるし、季龍さんが学校にいてもバレないから。
でも、バカなことに季龍さんのファンに舛田と私が時間差で準備室に入るのを見られてしまった。
それも1回どころか何度も目撃されていたらしい。
1週間前に体育館裏に連れていかれ、そのまま暴行。その中に高崎さんまでいるんだから、もう笑うしかない。