消防カレ士との付き合い方
『もう、砂羽ちゃんってば。』
ケラケラと笑い合いながら、私達は新しい教室へ入った。
うちの学校は、3年生に進級する時クラス替えがないので、嬉しいことに砂羽ちゃんとはまた一緒だ。
教室の中も、おなじみのメンツ。
『日和、おはよー。』
『砂羽、おはよう。』
教室のあちこちで、挨拶が飛び交う。
1つ1つに答えながら、私は自分の席の後ろの席目掛けて歩いて行く。
『勘治(かんじ)、おはよう?』
机に突っ伏せているその男子生徒は、私の声が届いていないようで、反応は無い。