雪降る刹那
そう口にした彼に、もしかしてと息をのむ。


そんなまさか、ありえない…。

でも、だけど…。


「ル、イ…?」

「ああ」

「……っ!」


どう、して…。

どうしてルイが此処にいるの…?

これが現実なのか夢なのか分からなくなる。


「元気だった?」

「…え、ええ。ルイ、は、今までどうしてたの?」

「色々あったんだ。あの時何も言わずに居なくなってごめん」

「……っ、」


そんなこと今更言われてもどうしていいか分からない。

もし会うことが出来たら怒ってやるつもりだったのに、いざ会ってしまうと頭の中が真っ白で何も考えられなかった。


「ななこ」

「……っ、どうして、此処にいるの?」

「お見合いするんだ」

「……っ、結婚するの?」

「ああ、君と」

「そう……、え?」

「……」


今ルイは何て言ったの…?

信じられない思いで彼を見つめると


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