雪降る刹那


ルイはあの頃と変わらない綺麗な笑顔でそう言った。


「……っ、」

「……」


何がどうなっているのかさっぱり分からない私はただ呆然とするだけで、

あの後ルイの話を聞いてそれが本当なのだと分かった時、ポロポロと涙がこぼれた。


あの時急に居なくなったのは、本当のご両親に引き取られたからで、父親がイギリス人だったルイはそのまま海外に移り住んだのだとか。

嘘みたいな話だけれど、後にそのご両親にお会いしたとき全て本当だと分かった。


「菜々子さん、今まで隠しててごめんなさい。ルイくんから堅く口止めされて言えなかったの」

「いえ、そんな…」


さらに驚いたのは、おばさんが元々あのお屋敷で働いていたということ。

そこで母と親しくなったのだとか。
知らなかったことばかりで、自分が今までどれだけ無知だったのかと思い知らされた。


「ななこ」

「…うん」


けれど、ルイにまた会えた。
夢にまで見ていたルイに…。

そんなこと奇跡でも起こらない限り無理だと思っていたのに。

隣に立つルイを見上げると、彼は微笑んでくれて。






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