雪降る刹那

これが私と彼の出逢いだった。

_____……まだ幼い二人の初恋のお話。


あの後二人で作った雪だるまをお母さんに見せると、とても嬉しそうに笑ってくれたのを今でも覚えている。

その日から毎日ルイと遊ぶようになり、
雨の日も雪の日も、どんなに天気の悪い日でも遊ばない日はなかった。


その楽しい日々に幕が下ろされたのは、ルイと出逢って二年が過ぎた頃。

ルイは急にお屋敷から姿を消した。

お母さんに聞いても分からないの一点張りで、どんなに泣き喚いてお願いしても、ルイの居場所を教えてくれることはなかった。


あれから二十年の月日が流れた今も、ルイと過ごした日々を忘れたことは一度だってない。

それくらい、私にとっては宝物のような時間だった。


< 6 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop