「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「ちが・・そんなんじゃ・・。」

そんなんじゃない、あいつは変態で、どうしようもないヤツで・・

言いたいことは山ほどあるのに言葉は何一つ出てこない。

出てこない代わりに涙が頬を伝った。

いつの間にか・・

いつの間にかこんなに好きになってた。

うん、好き

好き

好き・・

アーシャは、ふっと微笑んで、あーあと声を上げた。

「早く姉さんが出て行ってくれないと僕がお嫁さんを連れてこれないんだよね。」

ローレルは涙を拭ってごめんと呟いた。

「・・キルクークはさ、何か考えがあって出てったんだと思うよ?きっとフラッと戻ってくるよ。何もなかったみたいな顔してさ。」

・・・

「うん・・。」

待ってろ、信じて待ってろよ

あの言葉を彷彿して、ローレルはうなづいた。

「・・待ってる。」
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