「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
キルクークはしびれを切らしていた。

一日も早くローレルを迎えに行きたいあまりにあの夜、すぐカインのもとに走り、命じるままに国へと帰ってきたのに・・

「なんだって俺はローレルに会いに行けないんだ!」

ギリギリと歯を噛み締めて傍に控えるカインをにらみすえた。

カインは平静としている。

それがことさら苛立ちをつのらせる。

「言ったじゃありませんか。」

「ジュアンがアーシャから求婚を受けているのは知ってる!」

カインは肩をすくめて「そうですか」と返した。

「アーシャの件と俺のことは別だろ!」

「べつではないでしょう。」

「そうよ、お兄様。もう何年王国を離れていたと思ってらっしゃるの?正式にお戻りなったのだから、雑務が多くても仕方ないわ。」

ジュアンはどことなくウキウキしている。
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