「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
キャーキャーと周囲で悲鳴や嬌声が上がっているのが聞こえてきた。

ああ、だがこんな幸せがあっただろうか。

ローレルの身体からは力が抜けていく。

そうだ、口づけに集中すれば良い。

俺のローレル。

男の姿だろうと関係ない。

お前の美しさはこの俺だけが分かっていれば良いんだから・・。

ガチんっ


「っ!」

舌先にはしった鋭い痛みに思わず腕を解いた。

下を噛まれたのか・・

口の中に広がる錆びた味に、ようやく理解する。

「ひどいな、噛むなんてー。」

ローレルは真っ赤な顔で手の甲で唇を拭っている。

「なんてー。」

たまらない、もう今すぐどうにかしてやりたい。

「ストップ、変態王子!」
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