「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「いや、俺を侮辱した罪は重いぞ。」

店主が腕を組んで言葉を続ける。

「そうだな、その腕輪を置いていけよ。そしたら許してやる。」

黄金にダイヤとサファイヤの装飾を施した腕輪だが、これで非礼を許されるならいいだろう。

俺は腕輪を外そうと手をかけた。

「おじさん、旅の人をからかうのはそれくらいにしたら?」

ふいに自分の腕にかけられた小さな柔らかい白い手の主がそう言った。

俺はそれに視線を移した。

「・・・っロ・・!?」

その容姿を別の誰かと見まごうはずがない。

なぜこんなところに?!

と、共の者は?

まさか、一人で????

「何だ、ローレル。邪魔すんなよ。」

その尊い名を口にして店主があーあとため息をついた。
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