「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「お兄さん、あっち行こ。」

俺は、言葉を失って、コクリとうなづいた。

そして、柔らかい手に引かれながら後をついていく。

間違い・・いや、間違っているわけがない。

その名も同じだったじゃないか。

このウェーブがかった金色の髪に・・小さな体つき、そして・・向かい合って眼に映るみどり色の瞳。。

脇道に逸れて、その麗しき人と向き会うと、

「ローレル・・」

俺は呟いて膝を折った。

「こ、このようなところでお逢いできるとは思いにもよりませんでした!」

見上げてみるかの美しき王子は、困惑の眼差しで俺を見下ろしている。

「え?」

「ああ、お忍びでいらっしゃいますか?」

それなら俺も国にいるときによくしたから分かる。

様々な重責から逃れ、自由な時間を作るということも大事なことだ。

それに民のことも知れるし・・
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