「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「俺の名は・・」

そこまで言いかけて俺は言い淀んだ。

待てよ

ここで俺の身分を明かしたら、侍従になる夢が途絶えるんじゃないのか?

っていうか

単なる異国の民が、ローレル王子を知りうるわけがない・・じゃないのか?

しまったぁぁぁ!

「えっと、ええーと・・」

ローレルは、ふっと微笑んで言った。

「お兄さんって面白い人だね。」

「え?」

「僕のこと、誰かと勘違いしてるみたいだけど・・?」

・・

「いや、そんなはず」

ない。

この目がこの人を見間違うはずがない。

だが、、、違うということにしておいた方がいい・・のか?

「・・すまない。」

俺はぽつりと言って頭をかいた。

「ううん、じゃあ僕は用があるから。」

「あ・・!」

「サンザリアにようこそ、また会えたらいいね。」
< 23 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop