「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
俺は、はたと我に返り咳払いして言った。

「ごほん、で、どうだ?」

「・・はぁ、とくに、王子が気にかけるようなお相手はいらっしゃらないようでしたが。」

「そ、そうか・・!」

って、何で俺はホッとしてんだ。

「お心察しかねますが・・直接お声をかけられては?」

「ちょっ、直接!?」

直接・・だと?

あのフルートのような声変わりしていない美しい声で我が名を呼ばれでもしたなら・・・

ゾクゾクっと背中に悪寒が走る。

「う・・む・そうだな。」

俺はごくりと生唾を飲んでローレルの姿を射止めた。

美しく幼さの残る可愛い王子。

この生誕祭で俺と同じようにあなたを欲する無法の輩がいるかもしれぬ。

我が手でお前を守れたら・・

って、何考えてんだ、俺は!!!!!
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