「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
サンザリアの王国には魔法がかけられている。

王族の血を引く者は皆、0時から6時までの6時間だけしか真実の姿でいることはできない。

6時の鐘の音とともに、別の性へと変貌するのだ。

だから・・

1日のほとんどの時間が、ローレルにとっては男として過ごすことなる。

あんなきらびやかな可愛い素敵な衣装を身にまとい、異国の王子を想い、胸を弾ませることもできない。

自然と言葉遣いも男の子っぽさを意識するようになり・・仕草や態度からも女性らしさなど消えていった。

男なのか女なのか自分でも分からなくて・・

なのに・・

「ちょ、ちょっと待って。」

ローレルは、顔を近づけるキルクークの目の前に包まれたままの両手で遮って言った。

「じょ、状況についてけない。」
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