「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「ぐぅっ!」

唐突に身の内を走った衝撃と激痛にキルクークはローレルから手を離した。

キルクークが身を屈ませて眉間にしわを刻む。

ローレルははぁはぁと息を荒げて、もはや乱れかけた胸元の服を正しながら言った。

「へ、へ、へ、変態!変態!!!」

キルクークはしゃがみこんで冷や汗をかきながら失笑した。

「急所を蹴るなんてレディのすることではないですよ。」

女の力、いや今は男か。

けど、鍛えられていないひ弱な王子様の蹴りなんかじゃ俺のイチモツはビクともしないけどさ、とキルクークは考えつつ慌てふためくローレルを見上げた。

ローレルが赤くなったり青くなったりしながら狼狽える姿を見るのは良い。

それだけでなんて可愛いんだと思っている自分がいる。

もう末期だ。
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