「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「ぜひお誘いを受けたいが、残念。我が主人の様子を見に行かなくてはいけませんので。」

「そんなの放っておけば良いわ。シましょう。今、シたいの。」

こんな言葉をローレルから言われたら間違いなく卒倒するだろうな。

「申し訳ございません。御前失礼いたします。」

キルクークはそそくさとパーティー会場の人混みの中に紛れ込んだ。

あのどう猛な肉食獣のような女がこのまま引き下がるとも思えない。

・・注意が必要だな。

ローレルは・・

視線の先にローレルの姿を見つけてキルクークは急ぎ足で歩み寄った。

ローレルが俺を見つける。

プイッと顔を背けた。

「・・何の用だ、近寄るなって言ったろ?」

まだ怒っているのか・・

あの毒虫のあとだからか、余計に膨れた様子に愛しさがこみ上げる。

「少しお耳に入れておきたいことができましたので、申し訳ございません。」

「・・何だよ。」
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