秘密の視線
「みっちゃん?」
「……大丈夫、何でもないよ」
心配そうに私を見上げる姉にそう答えると、彼女は安心したように笑った。
人を疑うことを知らない真っ白な姉。
私が彼に想いを寄せているなんて思ってもいないだろう。
きっとこれからもずっと。
______……姉が気付くことはない。
「新婦様もお願いします」
「はいっ!どうしよう、みっちゃん」
「お姉ちゃんなら大丈夫。落ち着いてね」
「う、うんっ。ちゃんと見ててね」
「分かってるよ」
「それじゃ、行ってくる」
「うん…」
______……行ってらっしゃい。
背を向ける姉に、声にならない声でそう呟いた。