午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
やってしまった。
冷静になってようやく出てきた感想はシンプルなものだった。
一人になりたくて、楽屋代わりの大きなロケバスの後部座席に座って俺は頭を抱えていた。
優衣ちゃんの連絡の一切が途絶えて、ホテルの部屋にも帰ることがなかった夜――最初は何か危ないことに巻き込まれたのかも、と心配していたがその心配は次第に別のものへと変わっていった。
彼女を疑いたくはないけれど、頭の中は良からぬ想像でいっぱいだった。
不安で仕方なくて翌朝電話をかけたら俺の心配は的中して、電話の向こうから男の人の声が聞こえてきて吐き気にも似た不快感を覚えた。