午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「ずいぶんよそよそしいのね。あなたに女を教えてあげたのに」
そう言って、北原さんは計算し尽くされた仕草で髪を耳にかけて真っ赤な唇を三日月型に歪めた。
――彼女と出会ったのは5年も前のこと。幼さの残る顔や少女らしい初々しさがどこか優衣ちゃんと似ていて、なんとなく仲良くなってなんとなく付き合った人だった。
付き合って日が経つにつれて記憶の中にある初恋の女の子とは似ても似つかないことを思い知らされて、嫌になって――捨てるようにして、別れた過去の人。