午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



「あのマネージャーの女の子、薫の特別な子なんでしょ?」


「……なんのことかな?」



鼻をつく香水の匂いにむせ返りそうになりながらも俺は動揺を悟られないようにカメラの前で見せるような完璧な作り笑いを返した。


早く、早くいなくなれ。

過去の記憶ごと。



「あら、てっきり薫の彼女だと思ってたんだけど」



女の人は色恋沙汰にとても敏感で鋭い。


俺と優衣ちゃんの関係を肯定してしまえば優衣ちゃんが危ないことは容易に想像できる。

自分のしでかしたこととはいえ、俺に逆恨みをした北原さんが優衣ちゃんに何かしないとは限らない。


俺は自分でも吐き気がするくらいニコニコ笑った。



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