午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



「おい、大丈夫か?」



よく聞き慣れた――けれど最近はずっと聞くことが出来なかった声に、私は目を見開いて勢いよく顔を上げた。



「って、白戸か」



そう言って呆れたようなため息をついて私の身体を支えてくれていたのは、薫くんの唯一無二の親友であり私とも大学の同級生である、逢坂冬馬くんだった。



「あ、逢坂くん……お久しぶりです……」



春休みに入って以来、ずっと見ることの出来なかったその姿を見てホッと安堵の息を漏らす。


ふと、彼の腕に身を委ねたままだということに気がついて慌てて離れて、お礼と謝罪を勢い良くした。



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