午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「逢坂くん、どうしてここに?」
彼は一応、薫くんと同じ事務所に仮所属をしているアーティストの一人。
事務所で会うならともかく、スタジオで偶然会うなんて滅多にないことだろう。
「ああ、俺メジャーデビューすることになった。んで、今度音楽番組出るからその打ち合わせ」
何でもないことのように、そんなことをさらりと言った逢坂くん。
私はその意味を噛み砕いて理解した瞬間、驚いて勢い良く顔を上げた。
「すごいじゃないですか!おめでとうございます!」
「でっ!」
――勢いが良すぎて逢坂くんのアゴに頭突きをしてしまった。