午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



「一緒に仕事してても喋んねえのか?」

「露骨に避けられてて、話すこともできないというか……」



あはは、と私が乾いた笑い声を漏らしたのと逢坂くんが驚いてこちらに顔を向けたのはほぼ同時だった。



「お、おい……泣くなよ……」



苛立った様子から一転、今度は困ったように眉根を寄せる逢坂くんに迷惑かけてごめんなさいと頭を下げる。


泣くつもりなんかなかったのに、目からどんどん涙が流れ落ちていく。



「悪い、ハンカチねえわ」



そう言いながら差し出された街頭で配られるような広告の入ったポケットティッシュを差し出される。


新設された動物園の宣伝らしく、可愛らしいパンダの写真がプリントされている。

そんな可愛いものを逢坂くんが差し出してきたと思うと少しおかしくて笑ってしまった。



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