午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「嘘だよバーカ」
そう言って逢坂くんは空になった紙コップをクシャクシャにして、ゴミ箱の方へ投げた。
紙コップだった塊が宙を舞う様子を目で追っていれば、逢坂くんが小さな声で何かを口にした。
「……そんなに泣くくらいなら俺のとこに来ればいいのにな」
ガコン、とゴミがゴミ箱のフチに当たる音が何度か響いて、逢坂くんの声は全て掻き消されてしまった。
「あの、すみませんもう一度」
ゴミ箱の方から視線を逢坂くんに戻すと、逢坂くんはいつもの仏頂面で答えた。
「お前は本当にバカだなって言ったんだよ」
そう言って逢坂くんは私のおでこを指先で弾いたのだった。