午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「ちょ、っとすみません……」
どうにか人混みをかき分けて、関係者入り口から会場の中に入る。
入り口の近くにいた警備員さんが私の首からぶら下げられた"staff"のネームプレートを一瞥するその横を通り抜ける。
急がないとスタンバイの時間になってしまうので、駆け足で3人がいるはずの楽屋に滑り込んだ。
「っと……」
扉を開けて足を踏み入れた直後、頭上から影がかかって急ブレーキをかける。
ぶつかりそうになったことを理解して、謝ろうと顔を上げると私と相手の表情が一瞬で固まった。