午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「ごめんなさい、私……やっぱり薫くんが好きです」
城谷さんの表情の理由は、私が彼の手を強く振り払ったから。
「薫くんが一番なんです、これまでも、これからもずっと。大好きです――薫くんは、もしかしたらそうじゃないかもしれないけど」
これは私の都合で、希望でしかない。
薫くんを裏切るような真似をして許しを請おうなんて思わないし、思っちゃいけない。
だけどもし薫くんが許してくれると言うなら――私がまだ、これから先も薫くんの隣に居ていいと言ってくれたなら。
私は長い時間を捧げても彼のために何かをしてあげたいと思う。