午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「……ごめん、優衣ちゃん」
城谷さんを押し退けるようにして、薫くんが私の元へ歩み寄る。
「ちょっとだけ、不安になってた」
薫くんの両手が私の頬を包み込むように触れた。
いつぶりだろう――こうして彼と素肌を触れ合わせたのは。
「言い訳をしてもいい?」
「私も、言い訳したいことがたくさんあって」
困り果てたように言葉を紡ぐ薫くんにそう返せば、きょとんとした表情が返ってきた。
それから、薫くんは安心したようにふわりと笑って、私のおでこに自身のおでこをくっつけた。