午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「――おあいこで。」
そう言って、見つめ合う。
耐え切れなくてどちらからともなく笑い合えば、今まで抑えてた感情の封が一気に切られたように涙が溢れてきた。
「え、あ、わ、ごめん……?」
「か、薫くんのせいじゃなくてぇ……うえぇ」
むしろ謝らなくてはいけないのは私の方なのに、薫くんは珍しく慌てて私の涙を指先で拭う。
「はいはい。そして2人はいつまでも幸せに暮らしました、ってとこかな」
ナレーションのようにそう言った城谷さんがドアノブに手を掛けて立ち去ろうとした時、薫くんが私の肩を抱いて彼の方を振り向いた。