午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「待ってください、城谷さん」
「うん?」
薫くんに呼び止められて、城谷さんが振り向く。
薫くんは少しだけ怒りを滲ませたような堅い声音で言葉を紡いだ。
「週刊誌の件――全て自演ですね?北原さんと協力して」
その言葉に、一瞬城谷さんの瞳から光が消えたのがわかった。
底知れない恐怖に私が薫くんの胸に身体を寄せると、薫くんの腕の中に守られるようにして抱き込まれた。
「あは、バレちゃった?」
「当事者しか知らない情報を北原さんが口にしたので、気になって色々と調べさせてもらいました。あなたが雇ったパパラッチのことだとか」
え、と私が驚きの声を漏らして城谷さんを見ようと顔を上げると、見るなと言うようにして薫くんの手が私の視界を奪った。