午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「そうだねぇ。でも俺は嘘はついてないよ?北原さんと昔付き合ってたのは本当のことじゃないか。そのせいで白戸さん、すごく不安になっていたんだ」
「そ、それは私が勝手に不安になってただけで、薫くんは何も――」
「悪くないわけないだろ?自分の知られたくない過去を君に隠して、一人だけズルをしようとしていたんだから」
その言葉に、薫くんの呼吸が一瞬詰まったのがわかった。
「……城谷幸也さん。城谷は芸名で、本名は北原幸也ですね」
すぐに切り替えたらしい薫くんは、静かな声で探るように呟いた。
「うん。知ってたんだ?」
一呼吸置いて、城谷さんが感情のない声で言い放つ。