午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「週刊誌とか、そのあたりは弟が全部勝手にやったことなの。でも、私もちょっと薫にちょっかい出しちゃった」
「……」
顔を上げた北原さんが自嘲気味に笑って、肩を竦めた。
ちょっかい、って。
不安になって眉を下げると、北原さんは首を緩く横に振った。
「安心して。キスしようとして思い切り拒絶されたから。それ以上のことなんて何もないわ」
「薫くんが?」
「ええ」
北原さんが嘘をついている様子はないし、何よりこんなこと嘘をつく必要がない。
私はほっと胸を撫で下ろして、改めて北原さんの目を見た。