午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「私ね、女の子も大好きなの」
北原さんがにっこりと、綺麗に笑ったとほぼ同時に後ろから薫くんに強く腕を掴まれた。
「か、薫くん?」
何も言わずに私を引っ張っていく薫くんに困惑して、しばらく歩いたところで声をかける。
薫くんが唐突に立ち止まるからその背中に鼻をぶつけた。
痛みに悶えていると、薫くんが私の手に何かを握らせてきた。
「優衣ちゃん、今すぐうがいして」
「へ?」
呆然と手の中を見下ろせば、小さな小瓶に入ったうがい薬。