午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「桃山さんと薫くんは、もう車を用意していますので、準備ができたら裏から車に乗ってくださいね」
先ほどメモして覚えたことを3人に伝え、口頭の伝達とミスがないかそれらを見比べる。
私がスケジュール管理に必死になっていると、薫くんがあれ、と小さく声を上げた。
「優衣ちゃん、ひかるの方につくんだ」
「はい。未成年一人で移動させるわけにはいきませんから」
私がそう説明すると、薫くんはうなずきながらも少し寂しそうな顔をして肩を落とした。
「マネージャーになったからって一緒の時間が増えるわけでもないんだね……」
薫くんは捨てられた子犬みたいな目をして苦笑い。
そんな彼に不覚にもときめいてしまって顔を赤くしていると、やりとりを見ていた東雲くんに無言で足を踏みつけられた。