午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-


私と薫くんが一度離れてから再会するまで、10年近くも時間が経っていたのだ。

その間、彼に恋人ができていたって不思議な話ではない。


薫くんは美形なだけじゃなくて、性格も優しくてかっこいいし。……何より、女性の扱い方がすごく慣れた様子もあった。



「北原さん、美人だよね。胸も大きいし?」



東雲くんがにこにこしながら私の心にトゲを刺してくる。


私は自分の胸を見下ろして、改めて手で触れて確認してみる。

私は女ということもあって手が小さく、小ぶりなそれは少しだけ手のひらの中からこぼれ落ちる。


男の人の手で触れたら空洞の面積ができてしまうだろう。


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