午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「……薫くん、手のひらサイズでは不満でしょうか?」
「それは知らないよ!その手やめて!」
不安になって思わず東雲くんにそう聞くと、顔を真っ赤にして怒られてしまった。
あまりにも動揺しすぎてしまい、セクハラまがいのことを聞いてしまったことを反省して私は肩を落とした。
「あんたが北原さんに勝てる要素なんて一つもないんだから、せいぜい取られないように頑張ってねー?」
いつもの東雲くんの軽口。
だけど私にとっては酷く重いものに感じてしまう。
不安にも、なる。
付き合って何ヶ月かになるけど、未だに薫くんのような素敵な人の恋人が私でいいのかと思ってしまうことがあるから。
そのあとの東雲くんの仕事の付き添いでは、ぼんやりしてしまうことが多く、東雲くんにすごく怒られてしまった。