午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
挨拶を終えてホテルにチェックインし、それぞれ部屋に戻ってしばらくした頃。
ルームサービスのパスタを食べ終わってシャワーを浴びて、髪の毛を乾かしながらテレビの画面をぼんやり見ていると、突然CMに薫くんが映ってびっくりしてドライヤーを落としてしまった。
「薫くん……」
ドライヤーの音に混じってつぶやく。
足元に落ちたドライヤーを拾い上げ、電源を切るとテレビから薫くんの優しい声が聴こえてきてなぜだか私は泣きそうになった。
乾き切った髪の毛をとかしていると、スマートフォンがちかちか点滅してメッセージを表示させた。