午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「……か、薫くん」
振り向くと、驚いた顔をした薫くんが立っていた。
いつものかっちりしたお洒落な私服ではなくて、Tシャツとパーカー、大きめのスウェットパンツといった完全にオフモードの姿だった。
長い前髪はバレッタでまとめ上げられていて、先ほどシャワーを浴びたばかりなのか髪の毛は少し湿っているようだった。
その手には財布と、水の入った未開封らしいペットボトルが握られていた。