午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「ちょっと……!?」
「あはは、びっくりしちゃった?」
そのまま薫くんを巻き込んでもみくちゃに倒れてしまうかと思いきや、両脇に手を差し込まれて高い高いをされる子どものように抱き抱えられてしまった。
「優衣ちゃんほんと小さいよね」
そう言いながら本当に高い高いされる。
常々言っているが、私が日本人女性の平均より少し小さいのは事実だけど、対して薫くんが日本人男性の平均を越して大きいのもある。
決して私がものすごく小さいわけではない。
「……楽しいですか?」
「うん」
唇を尖らせて薄目で不満げに私が言うと、薫くんは耐えきれないと言うようにうつむいて吹き出していた。
くそぅ、やられた。