午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-


「君、すごい若いみたいだけど……ここのスタッフ?」

「……私?」


先ほどまで私の手にあった企画書は目の前の男の人に取り上げられていて、私はこの状況に困り果てて首をかしげた。


「ああ、これは失礼。俺は城谷 幸也。この映画では保険医の役をやらせてもらってるよ」


そう言って城谷さんは器用にウィンクをして、私から奪い取っていた企画書を私の膝の上に戻した。


「えっと……白戸 優衣です。一応、Actのマネージャーです」


隣にあるパイプイスに腰を下ろして、城谷さんが顔だけをこちらに近づけてくる。


「へえ……Actのマネージャーさん?うわ、こんな可愛い子がマネージャーなんて羨ましい」

「仮なんですけどね」


可愛い、という言葉をスルーしてそう答えると、城谷さんはあごに指を当てて首をかしげた。


……先ほどから思っていたけど、何だろうこの漂ってくる色気。




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