午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「白戸さん、連絡先交換しない?」
「え……」
唐突な提案に露骨に何で?と顔に出してしまって失礼だったかと城谷さんの顔色を伺ってみるけど、彼はそんなことは全く気にしていないようでにこにこ人好きする笑顔のままだった。
「ドラマで顔合わせること多いしさ、何かあったときのために緊急連絡先ってことで。本来ならマネージャー同士やるのが筋だけど、俺ソロ活動始めたばっかりで専属のマネージャーがいないんだ」
「あ、そういうことでしたら」
こんな都心から離れた場所で長期の撮影、しかもマネージャーさんがいないなんて大変だろうな。
そんな労いの気持ちを込めてうなずくと、城谷さんは私の手を握ってくる。