午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「ありがとう。嬉しいよ!」
「……い、いえ」
ずいぶんと距離感が近い人だけど、不思議と不快感はなかった。
芸能人とかやってると、なんていうか、人の懐に入るのが上手くなるものなんだろうか。
お互いの連絡先を交換し終え、城谷さんの名前が追加されたのを確認したところでスタッフさんの「次の撮影は城谷さんからスタートでーす。スタンバイお願いしまーす!」と遠くから声が響いた。
「じゃあ行ってくる。またね」
「はい、行ってらっしゃい」
立ち去る際に手を振られたので軽く手を振り返す。
直後、後頭部に衝撃が走って私はぎゃっと色気のない声を上げてしまった。