午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
第4話
あの子がほしい
早朝からの撮影で欠伸を噛み殺しながら、私は撮影風景を見ていた。
当然主演の薫くんと北原さんは同じシーンになることも多く出番も多いので、休憩時間に時折2人で台本確認をしている場面も見受けられた。
その度に焼きもちを妬いていたって仕方がないので、どうにか気持ちを抑え込んでマネージャーとしての仕事をこなしていた。
「おはよう白戸さん」
低く落ち着いた声が頭上から振ってきて、勢いよく顔を上げる。
そこには城谷さんが、人好きのする笑顔で私を見下ろしていた。
「おはようございます、城谷さん!」
他の事務所のタレントさんとはいえ、マネージャーなのにタレントさんに先に挨拶させてしまうなんて、と慌てて椅子から立ち上がって頭を下げると小さな笑い声が返ってきた。