午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



「でも、そのわりに自分は北原さんと仲良くしちゃって、ワガママ王子様って感じだよね」


城谷さんが困ったように笑って、小休憩のうちに台本の読み合わせをする2人の様子を見る。


よくない感情が芽生えてしまうことは明白なので、私はそちらを見ることはせず城谷さんの綺麗な横顔を見つめる。


「北原さん、薫くんの元カノらしいですよ」


自分でそう言って、少しだけちくりと胸が痛んだ。

2人はどんな風に知り合って、どんな会話をしてどんな風に距離を詰めて付き合うようになったんだろうとか、私にしてくれるように、薫くんは北原さんに優しく触れたりしていたんだろうか。


なんて、考えても仕方ないことを思わず考えてしまって1人勝手に落ち込んだ。

ごまかすように紙コップに入った緑茶をちびちびと飲んでいると、城谷さんが目を丸くして私を見ていた。


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