午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「ええ、それ白戸さん的にはアリなの?」
「私的にはナシです」
「だよねー」
苦笑いをこぼして、城谷さんは「俺も白戸さんと同じ立場だったら嫉妬しちゃうなー」なんて言う。
私はそれにうなずきつつ、すぐに首を横に振った。
「でも……私は今、マネージャーとして彼のそばにいますから」
期間限定のアルバイトだとしたって、一度引き受けた仕事だ。
これからの薫くんに迷惑をかけないように、負担にならないようにしっかりしなくちゃいけない。悪い爪痕を残さないように。
「……砂川君が羨ましいよ」
「え?」
城谷さんが何か小さな声で呟いたような気がしたけど、スタッフさん達の飛び交う声に紛れてよく聞こえなかった。
「何でもない」
私が聞き返すと、城谷さんはふわりと笑って大したことじゃないからと首を横に振った。