午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「私が彼女なのに……」
誰にともなくつぶやくと同時に、スマートフォンが振動した。
もしかして薫くんかもしれない、と思って慌ててスマートフォンを手に取る。
画面に表示されていたのは城谷さんの名前だった。
「……もしもし」
『白戸さん?』
テレビの音を消してから一呼吸置いて電話に出ると、心配そうな声がスピーカー越しに聞こえてきた。
『心配になって電話したんだけど……』
「……ニュースのことですか?」
『やっぱり、観たんだね』
どうやら、城谷さんも私と同じく薫くんと北原さんの熱愛報道を観たらしい。
そこで私のことを真っ先に心配してくれたようだった。